〒040-0004 北海道函館市杉並町8-20 オカダビル1階
函館市電杉並町電停から徒歩2分 駐車場:有 弁護士 丹澤 友佑(函館弁護士会所属)
離婚時に預貯金があまり多くはない場合でも、特に夫側が長く勤務している熟年離婚の場合には、退職金の財産分与が問題になります。
意識していないと離婚時に見落とされる可能性がありますので注意が必要です。
退職金については、法的には給与の後払いの性質があると考えられています。一般的には夫婦が共同生活をすることで協力して給与を得て、退職金を形成する関係になるため、退職金も他の財産と同様に財産分与の対象となります。
しかし、退職金が実際に支払われるのは退職の時であって、例えば懲戒解雇されて退職した場合や、会社が最悪の場合破産するといった場合には支払いが全くされない可能性もありますし、会社の経営状態によっては思っていたほどの退職金が支払われないということもあり得ます。
そのため、退職までに10年以上の期間が残っているケースでは、従来は退職金が財産分与の対象とされにくいと考えられていました。
もっとも、近年の実務では退職金支給について、支給されないこととなる将来の不確定要素はその蓋然性が高い場合を除いて考慮すべきでない、懲戒解雇のような本人の行為によるものについては、考慮すべきでないとして、支給まで10年以上の期間があるケースでも退職金を財産分与の対象財産とされるケースが増えてきているようです。
なお、離婚時に支給が見込まれる全額が当然に財産分与の対象となるわけではなく、婚姻以前からその会社に勤めている場合などは、婚姻期間に応じた部分のみが対象となります。
退職金額の算出方法には大まかに、退職金額があらかじめ確定している確定給付型と、企業が退職金の掛金を拠出する額だけが決まっていて退職時に支払われる実際の退職金は運用実績に従う確定拠出型があります。
確定給付型については、基本給に連動して勤務年数を乗じるものや、基本給に関係なく勤務年数で算出されるもの、職能や役職に滞在した期間をポイントのように積み重ねて算出されるものなどがあります。
退職金を財産分与の対象とする場合の基準時は、夫婦が協力して財産を形成する関係が解消された時点となりますので、別居している場合は別居時、そうでない場合には離婚時となることが多いでしょう。
なお、退職金規定によっては、基準時の退職金を算定することが困難である場合もあり、将来の退職時の額しか判明しない場合などは計算も複雑になってくるので注意が必要です。
退職金を財産分与の対象とするとしても、退職金が支払われることは通常将来のことですから、財産分与をする側が相手に支払う時期が問題になります。
原則としては、財産分与は離婚時の清算ですから、離婚時に即時に支払うものとされます。
他方で、裁判例の中では、退職金の支給を受ける側の支払能力が乏しい場合や、支払時期が相当先である場合、支給されるかどうかがはっきりしない場合などには、支給された時点での支払いを命じられているケースがあります。
もっとも、このような場合、退職金の支給を受ける側の退職を離婚後に相手が把握できない場合もあり得、実際に退職金の一部を財産分与として受け取るためには保全処分を検討する必要もあるかもしれません。
上記はあくまで一般論ですので、個別の事情によって離婚手続きの選択や、慰謝料の金額がどの程度まで認められるかは異なります。
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