函館の弁護士による離婚に関するコラム
 

• 離婚慰謝料の金額の決め方について

離婚時に離婚慰謝料が発生する条件を満たし、実際に離婚慰謝料の金額について話し合う際に、では金額はどのように決めるべきでしょうか。

まず、離婚の原因が不倫や浮気、DV等の不法行為がもとになっている場合、不法行為の内容、それによってどの程度の精神的な損害があったかが慰謝料の金額を大きく左右します。

具体的には、不倫や浮気が原因であればその期間や回数、DVが原因であれば怪我の程度や回数などです。

精神的な損害の程度については、夫婦の婚姻期間の長さや、子どもの有無なども関係します。

離婚原因や夫婦の婚姻期間の長さなどをもとに夫婦間で慰謝料の金額について話し合い、金額について協議がまとまった場合には、慰謝料の支払い確保のために、慰謝料の支払いが分割になるようなケースなどについては特に、公正証書を作成した方がよいでしょう。

• 離婚慰謝料の相場は１００～３００万円？

夫婦間の話し合い・協議で慰謝料の金額が決まらなかった場合には、離婚成立前であれば離婚調停、離婚成立後であれば慰謝料請求調停もしくは慰謝料請求訴訟を提起することになります。

なお、離婚慰謝料の請求権は、離婚成立時から３年間で時効にかかってしまう（民法７２４条）ことから、離婚成立後に慰謝料を請求する際には注意が必要です。

裁判例を概観する限り、裁判で離婚慰謝料を決める場合の相場としては、およそ１００万円～３００万円の間に収束するケースが多いと言えます。

裁判例において、３００万円を超える５００万円といった高額な慰謝料が認容されているケースでは、浮気や暴力などの不法行為が複数あったりするケースが多いと見受けられます。

そのため、裁判中に和解が成立せずに判決となった場合には、金１００万円～３００万円となる可能性が高いことを念頭に置く必要はあります。

もっとも、相手方が離婚成立まで高額な婚姻費用を払わないといけないケースなど、ケースによっては判決に至る前の早期解決等を前提に相場以上の慰謝料や慰謝料以外の金銭給付を得られないかどうか検討した方がよいことも多いことから、離婚慰謝料については、まずは弁護士に相談した方がよいことが多いでしょう。